SPY大作戦
「おい、ルドルフに偵察行って来い。マネージャーだろ?」
目の前にいる男、銀華中3年の福士ミチルがそう言った。
ミチルと私は幼馴染で、何でも言い合える中だが、何故私がルドルフへ?
「何で?私よりルドルフファンのに行かせた方がいいんじゃない?」
「は今日休みなんだよ。いいから行って来い。」
「めんどい。しかも運動音痴の私が偵察なんかできると思ってんの?」
「いいから行って来いって言ってんだろ?アイーン!」
「あ、あんたいたの?影が薄いから気付かなかったわ。」
「(ひでえ…)分かった、数学のプリント5枚でどうだ?」
「10枚ならいいけど?」
「…いいぜ。(泣)」
「んじゃ、行って来るわ。失敗しても責任は取らないからね。」
よーし、出発!上手くいったらミチルと堂本をしばらく扱き使おう!
「何かこの学校、雰囲気が駄目だわ…」
私はルドルフの醸し出す雰囲気に押されていた。
「帰っちゃおうかな…」
いや、プリント10枚は捨てがたい。
「お邪魔しまーす…」
私は全身に木の枝をくくり付け、手にも枝を持って中の方に入っていった。
以外にもアッサリ見つかった。スクール強化組がほとんどだと聞いていたけど、
何らかの事情でもあるのか、レギュラー陣のほとんどが校内で練習していた。
「えっと、メモしなきゃ…」
〜聖ルドルフSPYメモ〜
部長赤澤 黒い。
ノムタク 地味。(山吹の地味’S以上)
木更津 前が見えなさそう。
柳沢 五月蠅い。
金田 眉毛が変。
不二(弟) 目付きが悪い。
ここまで書いて私は違和感を感じた。
あれっ?観月はどこだ?早く終わらせて帰りたいのに…
「何をしているんですか?」
「Σえっ!」
振り返ると観月はじめがそこにいた。
「おや、もしかして、偵察ですか?」
「イエチガイマス。」
ヤバい!どうしよう…
「んふっ。思いっきりスパイメモを握っといて違うも何もありませんよ。」
「…いつから気付いてたの?」
「貴女が校門をくぐる辺りから気付いてましたよ。丸見えでしたから。」
「一応ばれない様に気を使ったのに…」
「おやまあ、あれでですか?もしかして貴女、体育1とかですか?」
「それ、良く聞かれるのよね。」
「実際は違うんですか?」
「ふふん、こう見えて私は体育2よっ!」
「そんなの自慢できませんよ。」
観月は心の底から馬鹿にしたように笑った。
「それで、データは揃いましたか?」
「あんたのデータはまだよ。」
「何ならデータを提供してあげますよ。」
「本当に?!助かるけど、いいの?」
「僕は一向に構いません。」
「ありがとう、それで…」
「立ち話もナンですから、部室にでも行きましょう。付いて来てください。」
この時私は浮かれてて、観月が小さく『んふっ。』って笑うのに気付かなかった…
「適当に座って下さい。今お茶を淹れますから。」
「いやー、悪いわねえ。お茶までご馳走になって。」
何だ、こいつ良い奴じゃないか♪
「はい、どうぞ。」
「いただきまーす!」
観月の淹れてくれるお茶は、普段飲んでいるのとは比べ物にならないほど美味しかった。
「えっと、とりあえず、プレイスタイルとか教えて。」
「いいですよ。じゃあ、両手首をくっつけて貰えますか?」
「はい。これでいい?」
私は言われた通りに両方の手首同士をくっつけた。
「んふっ。貴女は素直な人ですね。いつか騙されますよ。」
「そんな事あんたに言われたくないわよ。って、何これ?」
「何って、緊縛ですよ。そんな事も知らないんですか?」
気付くと両手が観月のネクタイに縛られていて、もの凄くヤバイ気配が濃厚だ。
「そんなの見ればわかるわよ!どう言うつもりかって聞いてるの!」
「貴女を抱くつもりですけど?」
「はあ?!どうして良く知りもしない人間にそう言う事ができるの?あんたもしかして強姦魔?」
「、銀華中3年、男子テニス部マネージャー。幼馴染の福士ミチルにほんの少し恋心を抱いている。
好きな食べ物は枝豆。随分と渋い趣味ですねえ…嫌いな食べ物はナマコ。趣味は同じ学校の堂本をいびる事。
好きな教科は音楽。嫌いな教科は体育。」
「なっ…!」
「満足ですか?」
「何でそんなに詳しいのよ!?」
「貴女が好きだからですよ。」
回路が飛んだ。観月が私を好き!?今日会ったばっかなのに?!阿呆か、こいつ。
「本気…?」
「僕はいつだって本気ですよ。ずっと貴女を見てました。」
「今日初めて会ったのに?」
「大会の時、僕は貴女と会話してるんですよ。覚えてませんか?」
「うん。」
「そんなことだろうとは思いましたけどね。」
「そっか。」
「僕と付き合って貰えますか?」
「え…?」
「駄目ですか?」
「分かんないよ!」
「じゃあ、一回抱いてもいいですか?嫌がっても抱きますけど。」
「拒否権ないの?!って言うか私、処女だし!」
「ありません。優しくするから大丈夫ですよ。」
「えっ…」
うわーん!何でこんな事に!って言うか、観月が近づいてきてるー!
「来ないでっ。」
「来るなと言われて本当に行かないんだったら、初めからこんな事言いませんよ。」
どうしよーっ!誰か助けてーっ!
「じゃ、じゃあ、観月のデータをくれるんだったら、抵抗50%引きにしてあげる。」
「いいですよ。じっくりと教えてあげます。」
観月の唇が私の唇と重なった。
「…!んんーっ!!」
ちょっと待て!何故私が観月にキスをされなければならないのか!?
「…っ!ちょっと、人の話を聞いてるの?!」
「聞いてますよ。でも、誰もテニスに関するデータを渡すとは言ってませんよ。」
「なっ…!騙したわね!」
「貴女が勝手に誤解したんでしょう。」
うう…床に転がってる私を見下ろして観月が嬉しそうに服を脱がしてる。あっという間に私は下着姿にされた。
上は手が縛られてるから捲っているだけだけど。
「好きです、僕だけの物になって下さい。」
観月が私の鎖骨の辺りにキスマークという名の紅い花を咲かせていく。もう、どうにでもなれ…(壊)
ちょっとずつ観月の手や舌が下に下りて行く。観月の指が胸の頂上に達した時に何故か声が出た。
「やっ…あんっ!」
「気持ち良いんですか、もしかして。」
「分かんない…」
「貴女は自分の事すら分からないんですね。僕が何処が感じるのか分からせてあげます。」
いりません、とは言い切れなかった。もう私の体は熱を持ち始めていて、正直、やめて欲しくなかった。って、うわー!
もしかして、私は淫乱か?!とか考えてる間にも観月は胸を触る手を止めない。ふにふにと揉んだり、
少し強めに乳首を指の腹でこすったり、かと思えば優しいタッチで私を翻弄する。
「…んっ、はぁっ!みづき、やめて?」
上手く舌が回らなくなっている。
「やめません。」
そんなやり取りをしてると、観月の手が段々と下に伸びてきた。って言うか、そこはヤバイって!!
「いやっ!そこはダメ!」
「そこって何処ですか?」
観月が楽しそうに私の下着に手を入れた。誰かこの変態を止めてー…
「…っ!はぁっ、あぁっ!」
観月はぷっくりとした足の付け根にある蕾を探り当てるとソコを執拗に攻めてきた。
「あっ、ああんっ!」
「んふっ。さっきまで嫌がっていたのが嘘のようですね。」
「っウルサイ!」
「可愛げの無い事を言うのはこの口ですか?」
いきなり口に指を三本突っ込まれた。噛んでやろうか…?
「噛んだらお仕置きですよ♪」
何か楽しそうな観月がムカツク…
「っ!あんたなんか嫌い。」
「そうですか。では、嫌いな相手にイかされる屈辱を味わって下さい。」
いきなり観月は胸を口に含んだ。指は相変わらずの状態で、だ。
「やあぁっ!だめっ、なんか来るっ!」
「イきなさい。」
「あっ、ああーっ!」
全身から力が抜けた。…初めてなのに、イけるものなのか…?
「そんなに良かったですか?でも、これからですよ。」
「はあ…はあ…はぁ…?」
まだ何かあるのだろうか…と、思ったらいきなり観月の熱いモノが入ってきた。
「いっ!痛い、こんなのムリだよぉ…」
「少しだけ我慢して下さい。」
「痛い痛い痛い!」
私がうるさかったのか観月はいきなりキスをしてきた。
観月は物腰からは考えられないような攻撃的なキスを。
それが悔しくて観月の舌に合わせて私も夢中で舌を見よう見まねで動かしているうちに唇が離れた。
「んふっ。入りましたよ。」
「あれっ?!ホントだ。」
「動きますけど、辛かったら僕にしがみ付いていて下さい。」
「えっ…!い、いたっ!やだ!痛い!」
優しいんだか意地悪なんだか分からない。でも、少しずつ気持ち良くなってきた。
「痛いってば…あんっ!」
「良くなって来ましたか?」
「ちょっと…」
「そうですか。少し激しく動きますよ。」
「うん…」
観月が動き始めた。いてえ。けど、気持ちいい。
「あっ、ああんっ!」
観月が動き出してから5分くらい?で、早くも私に絶頂がやって来た。
「みづきっ!もうダメっ!イっちゃうよっ!」
「んふっ。」
「やっ、ああーっ!」
「僕もイきますよ。」
「んっ来てっ。」
「…っ!」
「ふうっ。」
「体は平気ですか?」
「何でそんなにあんた元気なの?」
「若さですよ。」
観月がんふっと笑いながらコンドーム?を外してる。
「あれっ?いつの間に着けたの?」
「キスしてる間ですよ。」
「器用だねー…」
とか言っていたら観月が手首の戒めを解いてくれた。
「さて、帰りましょう。送りますよ。」
「データは?」
「あげたじゃないですか。」
「なっ!?」
「さて、もう会う事も無いと思いますけど、お元気で。」
「えっ!?」
「僕は卑怯な手で貴女を抱きましたから。」
腹が立った。こいつは私から逃げようと言うのだろうか?
「何よソレ!ヤるだけヤって逃げるの?!」
「………それは、僕を貴女の傍に置いてくれると言う事ですか?」
「初めてだったんだから、責任取ってよね!!」
「ええ。分かりました。」
また観月がんふっと笑った。
「あ、そうだ!」
「何ですか?」
〜聖ルドルフSPYメモ追記
観月 よく分からない
以上
「よし、帰ろうか♪」
「そうですね。」
そのころ、銀華中…
「堂本、帰ってきたか?」
「いや、見てない。アイ―ン!」
「「嫌な予感がする…」」
「とにかく、偵察が成功するのを祈ろうぜ。」
「ああ。以外にも観月あたりとくっついてたりしてな。」
「そんな訳ねえだろ。」
「「あはははははは!はは…」」