ダブルデート 勝利!
「やったー!勝った!」
私はその場でピョンピョン飛び回った。本気で嬉しかった。勝った事にも
だけど、ヤられなくて済むのも嬉しかった。
「岳人みたいやな。」
なんか侑士が微笑んでいる。誰だろう、岳人って。まあいいや。私達4人は
シャワーを浴びて着替えてテニスコートの前で別れた。
「わー…。バカみたいに広いね…。」
さっそく氷帝に連れて来てもらった私はその広さに圧倒された。前回に来た時は
廊下と教室しか見てないから気付かなかった。部室に連れて行けと言ったら断固として
反対されてしまった。二人で手を繋いで校内を回る。ハイテクが様々なところに導入されていて
珍しい物だらけで新鮮だった。
「あのさ、侑士の教室に行きたいんだけど、ダメ?」
「別に構わへんで。ほな、いこか。」
手を繋ぎながら歩いてると酷く時間が短く感じる。侑士の手は少し冷たいけど、
歩いている内に私の体温が移ったのか温かくなってきた。
案内された侑士の教室は夕方の陽に照らされてどこか寂しく見えた。
「侑士の席はどこ?」
すたすたと侑士は歩いて「ここやで。」と言った。座るように言うと侑士はその場に
すとんと座った。
私は侑士の隣の席に座って侑士の方を向いてにこりと笑う。
「忍足君、教科書見せて?」
侑士は少し驚いた顔をしたがすぐに私に合わせてくれた。侑士もにこりと笑って机を
くっつける。私は「ありがとう。」と言うと侑士の首に手を絡めてそっとキスをした。
「いきなりどないしたん?」
「いや、ね。私達は学校が違うから侑士の学校はどんな感じなのかと思って。そっか。
侑士はいつもこの席で授業を受けてるんだね。ついでにクラスメートごっこもしてみた。
嫌だった?」
少しだけ頬を染めながら侑士が「別に嫌やない。」って言った。少しだけ可愛いと思った。
帰りがけに侑士が耳元でそっと囁いた。
「次は青学に行って俺がのクラスメートになるわ。」
「うん。楽しみにしてる。」
私がそう言って笑うと、私達はまたキスをした。
後書き。何か甘くなったような、ならないような…。うーん。時間が経ったら見るの恥ずかしいかも。
処女作の『FLY』なんかもう怖くて見られない…。これもそうならないように祈る。